ネガティブ女は頑張らない

ネガティブで孤独なOLは頑張って頑張らずに生きたい

化けの皮




私は人を真似ることでしか人格を作れない。




仕事ができる人のやり方を真似て、
服装がかわいい人のアイテムを真似て、
愉快な人の話し方を真似て、
おしゃれな人が聞く音楽を真似て、
好きなタイプ、電車での過ごし方、髪色、文章、セックスのときの睦み言…。



その人が敷いたレールに沿って歩くというより、その人の人格そのものを模倣しようとする。



でもそんなに自分のキャパが大きくないし再現度も高くないから、いつの間にか忘れて、古びて、ちぐはぐになって、
その時々に真似ていたキャラの状態で会った人と次に会うときには全然違う人格になってたりする。



そしてそのキャラに傾倒しすぎるときもしょっちゅうある。

甘えん坊な妹キャラを目指すけど、行きすぎて単にベタベタしすぎる距離感のおかしい奴に成り下がったり、
論理的に物事を突き詰めるキャリアウーマンを気取って問題点を指摘したら、本当に頭の良い全体が見えてる穏やかな人にいとも簡単に粗を見破られて、私はただ隙だらけの意見を得意気にまくしたてた浅はかな奴だと思われて終わったり、
小気味いいツッコミをピリッときかせて笑いをとろうと思って発言してたら、いつの間にか激しめな毒舌を連発する口軽キャラだと思われたり、
上司から学ぶときは腰低めに聞く9話す1の割合でいたら、同期の明るくてフランクな子のほうにだけ引き継ぎの会話の中でいろんな余談を教えてもらっていたりして、しかも上司とかなり打ち解けてて、私はそんな二人をぽつんと見つめるはめになってたりする。




とにかく立ち回りが下手で、変なこだわりや恥じらいが強くて、0か10かしかなくて、頭ではわかってても体にブレーキがきかなくて口からポロッと出ちゃったり、頭ではわかってても心や体が動かなくてフットワークが重くなったり、そんな中で人を模倣しようとするもんだから、悪循環をずっと繰り返してる。


基本的にはカタくて大人しくて面白味のない暗い人格が軸なので「悪い子ではないけどおもしろくも賢くもない、たまに暴走するけどまぁ頑張ろうとしてる人、でも印象には残らない人」くらいにいつも着地する。ような気がする。





まぁこれらは全部、「きっと私はこうなんだ」「きっと相手はこう思ってるんだ」という自分だけの思い込みなので、本当のところはもっとマシだったりもっとひどかったりするんだろうけど。


でも、カッコ悪いそんな自分を嫌いなことに変わりはない。


いつからこんなんだったっけ…。


どうせ真似するなら、いいところだけを少しずつ真似すればいいのに…。













先月はたくさん残業を頑張ったから給料が高かった。
父が作った鯛の煮付けがおいしかった。



とりあえず、今日はそれだけでいいか。