ネガティブ女は頑張らない

ネガティブで孤独なOLは頑張って頑張らずに生きたい

やばたにえんの麻婆キャベツ

マッチングアプリでやりとりしてる男性との会話で、

男「この三連休は何するんですか?」
私「平日のお弁当のおかず作り置きして、あとはダラダラしようと思います~」
男「けっこう料理されるんですか?」
私「基本自炊ですね~。レパートリー少ないので毎回大変ですけど(笑)」
男「へぇ~!得意料理はなんですか?」

っていう流れになった。(内容は一部変えてます)




私はこの「得意料理はなんですか?」っていうのがめちゃくちゃ嫌いである。

まぁ言われたの初めてなんだけど。



発言の裏に「もし付き合ったらおいしい手料理を作ってほしい」っていう下心が見えているような気がするし、もし付き合ったとしても私は料理があまり好きではない&得意ではないから作ってあげる気もさらさら無いし、
あと料理上手な女がやっぱりベストだとか、女は料理ができて当然だとか、そういうニュアンスを含んでるように感じられるから。
あと「レパートリー少ないから大変」って言ってるにも関わらず、流れを無視したようなことを聞いてきた点にムカついたってのもあるな。

まぁ相手はただの会話のネタとして聞いてきただけなんだと思うけど…。





っていうようなことを考えてたら、この「得意料理はなんですか?」っていうフレーズ、昔にも聞かれたことあったわ。思い出した。




高校三年生の頃だ。私の進路は進学ではなく就職だったため、就活していたときのこと。

高校に来た求人票の中で一番給料が高いというだけの理由で受けた飲食系の会社の面接が、面接官3:学生5くらいの集団面接だった。

緊張しながらも、入室、挨拶、自己紹介をなんとかこなし、面接の終盤に差し掛かったところくらいで出た質問が「得意料理はなんですか?」だった。


実家で暮らしていたときは料理など一切していなかったので、「(料理なんか学生のほとんどはせぇへんやろ…まぁなんか適当に答えよう)」と思っていたところ、
私の二つ隣くらいにいる女子が、入室し着席したときから変わらずぴんと伸ばした背筋のまま「麻婆キャベツです」と言った。


私はなぜだか、この「麻婆キャベツです」の一言にものすごく動揺してしまった。


というのも、
まず「麻婆豆腐」ではなく「麻婆キャベツ」であった点に「なんでキャベツなんや。なんやキャベツて」との思いが脳裏に走り、
同時に「確かにありきたりな麻婆豆腐より、ちょっと工夫を凝らしてオリジナリティを演出でき、かつ入手しにくい野菜ではなく身近ながらも死角であったキャベツを選択するあたりが創作力有りとの高評価に繋がり面接官の印象に残りやすくなるな。なおかつちゃんと家事を手伝っているという証明としての信頼性もある。こやつ、出来る」と分析し、
これ以前の質問に受け答えしていた彼女の態度や発声があまりにも凛としていたので「絶対こいつ受かるやん」との敗北感が確かなものになった瞬間であったためだ。


こんな彼女(親しみと尊敬の念を込めてキャベツ子ちゃんと呼ぼう)の非の打ち所のない見本のような回答をまざまざと見せつけられた私は、キャベツ子ちゃんと私の間にいた女生徒の回答の間にメンタルを立て直すことができず、自分が答える番になったときにうまく返答できなかったのだ。
そのとき私はなんと答えたのか、残念ながら覚えていない。



イメージトレーニングの中の就職面接と現実のそれ、そして私とキャベツ子ちゃんの面接への姿勢・対策の差。
自分の想像とあまりにもかけ離れていた現実に、私はすっかり萎縮して自信を無くしてしまった。

キャベツ子ちゃんは100%採用で私は100%不採用だ、どうしてあんなに舐めてかかったのだろう、私が面接官でもキャベツ子ちゃんを採用するわ、もう一度やり直せるもんならやり直したい、友達や先生や家族に不採用になったことを知られるのが恥ずかしい、たまたま近くやったから歩きで面接会場まで行ったのに往復の交通費もらったラッキー、気疲れしたし七三にした前髪と膝丈にしたスカートが恥ずかしいし早く帰ってゲームしたい、ていうか面接怖いし疲れるしもう嫌や、など色々な想いが駆け巡り、結局その一社(案の定不採用だった)を受けただけで私の高校での就職活動は幕を閉じ、進路が未定のまま卒業した。

しばらくフリーターをした後、運良く実家の近所にある会社の正社員になることができた。
フリーター上がりの事務員だったのに、キャベツ子ちゃんと一緒に面接した会社どころか、もしかしたら大卒の初任給をも上回っていたであろう月給に胸が踊った。

キャベツ子ちゃんは今ごろ店内のレジ前だか厨房だかに立ち、月給約15万という奴隷さながらの待遇で汗を流して働いているのだろうか。高校の求人票から会社を選ばなくて良かった。親のスネをかじっていたフリーター時代に自分は正社員にもなれず本当にダメな人間だと思い詰めたストレスで蕁麻疹にかかった甲斐があったと思った。

入社後に聞いた話だが、高学歴大好きな社長が私の高校を頭のいい学校だと勘違いし採用したという経緯だったそうだ。
私は入試で30点とって金さえ払えば入学できるアホ学校卒だ。私の頭が悪く、私の運が良く、社長の頭が悪かった。

社員のアホ社長への諦観が充満したその会社には職歴を作るためだけに数年在籍し、アホ社長の腰巾着の腰巾着との衝突を機にとっとと辞めた。今でもアホ社長の腰巾着の腰巾着の顔が脳に焼き付いて忘れられない。味方がいないことへの恐怖と理解されない悔しさに冷えきった指先のつめたさも。
そして転職後にもこんなに苦しむことになるとも知らず…。







はい。ちょっと話が逸れましたが、なんしかそういった諸々の理由で「得意料理はなんですか?」の問いかけが嫌いなんですよね。


むかつくから「得意料理はバロットです( ^ω^ )」っていうブラックジョークをかましてやろうかと思ったけど変なやつだと思われるのが嫌だったから
「よく煮物系作るんで、料理上手の人みたく肉じゃがです!って言っとこうかな(笑)」
っていうキャベツ子ちゃんも真っ青の可愛さもお茶目さも兼ね備えた100点満点の返事したわ!どんなもんじゃい!!煮物なんか材料すべてぶちこんで火にかけとくだけの簡単料理じゃい!!!




同い年くらいの男性だけど、やっぱりなんだか女に対しての固定概念が強いんかなあ。
女イコール料理上手?みたいな?あんまり会話してないからわからんけど。

見た目もまぁまぁだったし同い年だから新鮮ピチピチで良か良か~って思ってたけど、今回の得意料理事件のせいで、元板前で釣りが趣味の35歳(見た目45歳)の人に惹かれてるわ。手作りらしいめっちゃ美味しそうな料理の写真を載せてた。
昔やった釣りが楽しかったからまたやってみたいんだよなぁ。でも生き餌とか釣り上げた魚とかは怖いから、餌の取り付けと釣った後の魚の管理と調理は誰かにやってほしいんだよなぁ。釣る作業と食べる作業だけやらしてくんないかなぁ。

でもなんか10も上の人に私から声かけるの抵抗あるわぁ…。
顔は別として年齢的には守備範囲内だから、向こうから来てくんないかなぁ…。
足跡つけまくっとこ。





なんか長々と書いちゃったけど、読み返してみたら自分ってほんとクズですね。
社会に揉まれて汚れてしまった…と思ってたけど、なんか生まれつきのひねくれ屋って感じしますね。ははっ。




あーアプリ辞めてぇー。