ネガティブ女は頑張らない

ネガティブで孤独なOLは頑張って頑張らずに生きたい

いたちごっこの堂々巡り。


ずっと連絡をとっていなかった学生時代の友達Aから、突然連絡がきた。

その子の幼なじみXと何かしら色々あったようで、AのこともXのことも知ってる私に「Xと縁を切りたいと思ってる」という内容の相談をするために連絡してきたらしい。




事情を聞いてるうちに、そういえば私は一人になってから色々と物事を考えるようになったんだな、と思った。

考えるというのは、感じていた気持ちを掘り下げて自分の意見を添えるようになったという意味。

今までは、直感的に感じ取った気持ちを短絡的に結論付けて、じっくり向き合わずに工場のライン作業のごとく次へ次へ流し続けるイメージだったけど、
今は一つのものの作り始めから完成まで向き合う職人のような感覚で自分の気持ちに対応してる。

まだまだ手先は不器用だし経験も浅いので完成度の低い満足いかないものしかできないけど、昔に比べるとずいぶん時間をかけて丁寧すぎるくらいに扱っている気がする。


だって昔の私だったらどんな内容にしろ、「せっかく幼なじみという長い時間を共有してきた貴重な存在がいるのに、縁を切るだなんてもったいない。何か誤解があったり自分の気持ちを話せていないだけで、本当は仲が良いからここまで長く付き合ってこられたんだと思うよ」みたいなことを言ってたと思う。

確かに今でもそういう発想はできるけど、でもそれはお花畑で遊んでた時代の私の考え方であって、もう花園を焼き尽くされた私はそんな意見は言わない。




私も似た経験があり結果的に縁を切ったようなかたちになっている親友がいたことも手伝い、今なら迷わずこう言う。

「切りたいなら切ればいい。相手は変えられないし自分も変わる気がないならこの先の関係もしばらく変わらないだろうから、その時間分だけ消耗するのは不毛。縁があればまた繋がるから気にせず切ってしまえ」と。
元彼もそういう感情になって振ったし。


いろんな事情が絡むので内容によって回答はもちろん変わるけど、今のところ私は縁を切って後悔はしていないから。親友に関しては。


少し前は「もったいないことをしたかも。ずっと仲が良かったことは確かだから、何かもっと善処できたかもしれない。」なんて罪悪感を持ったまま、日常でふいに後ろめたさを感じていた。


でもよくよく考えてみると、私は小さい頃から「その子と縁を切りたい」という思いの稚魚みたいな感情をずっと持っていたことに気付いた。
そんな気持ちから目を背けていたせいで当時は日頃からささやかな違和感を抱き続けていたし、その結果が今現在の状態なのではないか。


私がAとXと仲良くなってからもあの二人がちょくちょく険悪な雰囲気になってることは知ってたし、Aは頭で考えすぎて態度には出さない傾向があること・Xは考えなさすぎて人の気持ちに鈍感な傾向があることは知っていたし、ケンカしては毎度同じような空気になっていつの間にか元通りになって、というサイクルになっていたことも知ってる。そしてそのサイクルがいかに気力を削ぐものであるかということも。





昔なら、結論を出すときにこうやってバックボーンを思い返したりしなかったし、自分が感じたことのある気持ちに焦点をあててじっくり考えようともしなかった。




物事を考えるようになったというか、自分の感情や言動に向き合うようになった、のほうが正しいかも。



そして、だから、元彼への未練も消えないのかも。
「あのときああしてくれたのに私はその気持ちを蔑ろにしたかも」とか、「自覚が無かっただけで傷付けることをたくさん言ってしまったかも」とか、
今より幼稚で生き急いでて他人の思想に振り回されてた昔の自分と向き合えるようになったから、その反省や後悔を伝えたい。謝罪したい。って一方的に盛り上がってしまってるだけなのかも。



別れたときはあんなに嫌だったのに。
ただそれは、私が幼稚だったから一方的に相手を悪者にしてしまったためだったのか、人として合わないとか何度話し合っても解決しなかったとかの相性の問題だったのか、今となってはよくわからない。

でもとにかく後悔はしてる。
振った理由がどうであれ、私が幼稚だったということは紛れもない事実だし。
今考えれば「それは私が悪いわ」って思うこともたくさんあるし。


その後悔を晴らしたいから未練を持ってしまってるんかな?
顔を合わせて「その節はいろいろ傷付けてごめん。私だいぶ幼稚で自分のことしか考えてなかった。もっと会話できてれば良かったね」って謝罪できたら未練なくすっきりお別れできるんかな?
それとも寂しいから復縁したいだけ?
私のこと実はまだ好きやろ?って優位に立ちたいだけ?
それとも本当にまだ好きなんかな?



自分をちゃんと持っていなかったことに加え、ずっと一人の時間を過ごしたことがなかったから自分を省みる機会もなかった。
けどじっくり考えてみても、なんでこんなに未練があるのかわからない。




でもなぁ…。
私が「ちょっと距離置こう」って一回だけ言ったことがあったけど、そのときあいつは「距離置くんやったら別れよう」って言ってきたからなぁ…。
後日なんで距離置くんが嫌やったん?て聞いてみたら、時間が無駄やと思ったから、って言ってた…。
なにそれマジか…私との関係を考える冷却期間が無駄な時間なんかなぁ…ってなったわそんとき。


そういうビミョーな違和感がいくつもあるやつやったから、私はわりと頻繁にイライラモヤモヤしてたことはしっかり覚えてる。
ただそれについて私がはっきり自分の意見を言ったり、相手がそう思う理由を聞いたりはしてなかった。

その会話をしてるリアルタイムに聞きたいことを発想する力も無かったしな。
家に帰ってお風呂の中とかで「あの発言はどういう意図だ?私は怒るべきだったのか?」って思い付くくらいだった。

お互いに幼稚すぎて、自分の想いや相手の気持ちを言葉で確認しないままズルズル付き合ってたんやろうなぁ…。






友人AとXからだいぶ離れてしまったけど、付き合いが長い人間との関係って意外と大変よね。って話。
楽しいとか信頼とかだけじゃなく、成長すればするほど性格も環境も変わっていくから、自分にとっての相手の価値も変わっていくよね。逆も然り。

相手のことを大事!大好き!って思ってても、相手が自分のことを好きじゃなくなってたらショックよね。
私はそれを親友と元彼にしてしまったんかなぁ。





とにかくAには、私から見た二人の関係の印象を伝えたうえで、上記のようなことを言っておいた。
Aが私の話に納得しようがしまいが、結局決めるのはAなんやし。
決断したときは満足しても、あとで後悔することになるかもしれへんし。



それが人生。
一期一会。


なんかなぁ…。