ネガティブ女は頑張らない

ネガティブで孤独なOLは頑張って頑張らずに生きたい

ちょっとした幸せの話



●アンインストール

会社の音楽アプリのプレイリストに、なぜかアニメ「ぼくらの」のOP曲であるアンインストールが入ってる。

一人脳内で「ふぉぉぉぉ何故」ってなってたのだけど、割とアニソンとかボカロとか入ってるので、社員の中にアニオタがいるのかもしれないな…。

何百曲か入ってるみたいだけど、一日中流しっぱなしなので数日で一周する。
でもスピーカーの音量がかなり小さいので、聞こえるかどうかは運次第。


次にアンインストールを聞けるのはいつだろう。






●犬と彼女と淀川と

通勤で通る川の土手に、シェパードとその飼い主の40代くらいの女性をよく見る。

凍えるような朝にも関わらず、広い芝生をのびのびとふたりで散歩している。
時には待ての練習をしていたり、時には犬のほっぺたをわしゃわしゃと撫でたり、スマホを見る素振りなんて一度もなく、お互いがお互いを見つめて時間を過ごしてる。

大きな川のほとりで、人のいない広大な原っぱで、さわやかな朝の空気の中で、水の音を聞きながら、マスクを付けず、リードを付けず、荷物も持たず、憂鬱そうに通勤していく人たちの存在なんか気にもしないで、彼女たちはいつも同じところで見つめ合ってる。



見てるだけのこっちまで爽やかで穏やかで優しい気持ちになるそんな景色をぼんやり見下ろして、ふと「将来、もしもずっと独身だったらカッコイイ犬を飼おう」って思った。

ああいうのが私の求める幸せの形だよなぁ。

仕事に行かなくて良くなった平日なのに朝早く起きて、朝食のパンを何にしようか迷いながら、ちょっとだけニュースを見て、あたたかい飲み物を飲んでから、相棒と一緒に散歩へ出かける。
自然豊かな人がいないところでめいっぱい深呼吸して、水面を遊ぶ水鳥を眺めて、電線のない空を二人占めする。

帰りにちょっとしたお菓子を買って帰って、昼下がりのお茶菓子にする。




サイコーやん。
そんな暮らしができるように、40までに小金作らなきゃ。






…でも荷物持ってないっていうことは、犬のう○こを回収してないってことだよな…。







●暖パンしか勝たん

「○○しか勝たん」って言い方、いかにも活発にSNS使ってる輩の口癖っぽくて嫌いなんだけど、ほんとに圧勝してんなって思えるものと出会ったので使ってしまった。

コスト重視女子御用達、ハニーズ様の暖パン(正式名忘れた)である。



マジで風通さない。
でも見た目は普通の綿パン。
ゴツくないのに裏起毛。
3度くらいならこれ一枚で余裕。
でもストレッチ皆無。
丈は3パターンくらいから選べる。



今冬はこれのおかげで乗りきれたと言っても過言ではない。

しかしあまりにもストレッチが無さすぎて、座ったら丈がめっちゃ短くなる。

でも極暖。
極暖というか極断。
冷風を断って、裏起毛で暖める。



最強。
株買おうと思ったくらい最強。
てか買うわ。



アラサーでもアイテム選べば全然着れるし、他の店と違ってすぐ売り切れるような人気の品もあまりない!
セールもよくやってるので安いやつはほんと安いし、まぁ質は知らないけど、ちょっとしたフォーマルからベーシックなカジュアルまで揃ってるから、けっこう使いやすい。
ユニクロほどベーシックすぎず、WEGOほど若者すぎず、GUくらいの価格帯。
あと、実店舗には客があんまりいないから試着もしやすい!
声かけてくるタイプの店員じゃないし、みんなだいたい暇してるから服がぐちゃぐちゃのまま置かれてることも少ない。
郊外に店舗があることが多いので、こんなシケた田舎なのに家からチャリで行ける距離に服屋がある!


安くてかわいくて穴場。いいね!






●いつかスタンド居酒屋で

ずーっと行き方がわからなかった店に、今日たまたま行くことができた。

その店というのが、駅の出口を間違えたらけっこう遠回りしなきゃいけないし、行けそうな方向の道はほぼ行き止まりだし、見通しが悪いので歩き回って近くを通らなきゃわからないようなところにある。

地図を見ながら何度も確認したのに、そこへの行き方がとんとわからないままだった。


最近だと1時間は残業することがほとんどで、早く帰りたいな~疲れたな~と思ってぼんやりスマホ見ながら帰ることが多い。
そのせいで一回最寄り駅を通過して15分くらい戻りの電車を待つはめになったこともある。

そんな状態で今日も帰って、ふといつもと違う改札を通ると、なんとまぁ、その道の先に目当ての店があった。

狸に化かされたというか狐につままれたというかそんな気分でふわふわ帰って、近所の猫に絡んだら逃げられて、父の作ったうまい唐揚げを食べて寝た。




幸せだった。







●友達の人生の階段

けっこう面白い人生を歩んでる友達がいて、その子が最近初めて男の人を好きになったらしい。

結論をいうと玉砕してしまったのだけど、なんかその行程というか、気持ちの動きというか、そういう話を聞いてると本当におもしろくて。

おもしろいというか、なんか人間も悪いもんじゃないんだなぁって思えるというか、人を好きになる瞬間ってこういう感じが正常だよなぁと思ったというか、言葉にはできないけど、なんか嬉しくていい気分になった。

友達が初めての体験をできたことを嬉しく思ったし、ひょんなことから突然気になる人が現れて困惑してる友達を素直でかわいいと思ったし、この子はちゃんと人の中身を見てるんだなって思って正常というか真人間らしさにちょっと安心した。
私みたいにドロドロしててめんどくさい人間に、こんなまともな友達がいるんだなって。

いろいろなことを先に経験したのはそっち(私)じゃんって友達は言ってたけど、私は階段の淵から落ちそうになった勢いにまかせて駆け上がったはいいものの、結局足を踏みはずして、宙ぶらりんになって進めなくなった。
中途半端に登ってしまったから、高さがあって怖いし、落ちたら死ぬし、だからといって手の力だけでは這い上がれない。

少し離れた別の階段をゆっくりでも着実に踏みしめる友達に助けてもらいたかったけど、どうやら無理っぽいなと理解し始めたのは最近だったか、ずっと昔だったか。



まぁどっちでもいいけど。
私も早く好きになれる人に出会いたいなぁ。






●夢

今日、久しぶりに夢を見た。
しかもファンタジー系。


何の相談もなしに、両親が梅田に一戸建てを買った。
購入価格は1000万くらい、借地に建て売り、しかも外国みたいなペールイエローの漆喰の外装で、壁がカーブになっていたりアイアンの装飾が付いたり…
などなど、富豪が住むようなふざけた家だった。

正直1000万で梅田に買えるような家ではなかったので、いくら欠陥住宅だったとしてもこの家を買えた事実は称賛に値するものだった。

けど、夢の中の私は「生活費もカツカツなのに新しい家なんかに1000万使うなんて」「しかも借地でしょ」「前の家があるから新しい家なんか必要ないのに」と母に怒っていた。



怒りのままに家を飛び出して、少し歩いた先の小高い公園に行く。

坂を登ると、湿った土で、菖蒲みたいな葉が踏み均された平坦な広場があった。
電柱どころか木もない視界の開けた広場で、青空と葉の緑と下の方に海が見える。

その広場にポツンと建っている家に入ると、ざらりとした優しい風合いの石造りの壁や、赤い金魚が優雅に泳ぐ青い水槽の壁や、段差に腰かけた腹の出たおっさんがタバコをふかしたりしている。

扉や襖を開ける度にそうやって違う光景が展開されて、建物の見た目よりよっぽど広い空間が秘められていたみたい。




残念ながら建物に入ったらへんの記憶がなく、ヨダレを垂らした感覚で起きてしまった。

でもすごく色彩がきれいな夢だったことは覚えてる。
黄色、緑、青、赤、灰色。
気分が清々しくなるいい夢だった。