ネガティブ女は頑張らない

ネガティブで孤独なOLは頑張って頑張らずに生きたい

夢の中だけ主人公

久しぶりにおもしろい夢みた。





私は現実の実家とは違う実家に住んでいるようで、そしてなぜか私の部屋の床が地面から割れてしまっていて、50cm以上はあると思われる地割れの隙間から黄土色の泥水がどんどんとせり上がってきていた。
天変地異が起こったせいでそうなったのか、それとももともとあったその地割れの上に家を建てたのか。

なんとか土砂からベッドを守ろうと移動してみたりするけど、泥水が上がってくる速度が早くて、あっという間に白いマットレスが黄土色になってしまった。

お手上げだ、と思って諦めて退室すると、他の部屋も同じような状態になっているらしかった。
仕方ないから外出しようと思って、自分の部屋の前を通って玄関に向かうと、私の部屋やベッドの修理をしてくれてる父の背中が見えた。
お礼を言おうか迷ったけど、なんだか気まずいような恥ずかしいような気持ちになって、そのまま通り過ぎてしまった。




場面は変わり、私は高層ビルや雑居ビルが混在する雑多な都会の建物の中にいた。
人類の何割かが滅んでしまったかのような人気のない町の雰囲気、錆びたネオンサイン、そんなこと知りもしないみたいな雲ひとつない綺麗な青空、建物の上半分しか見えず地面があるのか水に埋もれてしまったのかわからない都市の上で、私は気になったところや助けを必要としている人々を転々と見て回っていた。


夢の中の私は前向きでさっぱりとした、身軽で運動神経抜群で、いろんな人から憧れられたり慕われたりするような人物だった。


だんだん老朽化してきてるビジネスホテルみたいな高い建物の一室で固まって暮らしてる女性たちを導いたり、怪我した人をお姫様抱っこで走って運んだり、高層階の窓の外の縁に立って人助けをしていた。


崩壊したのか建設途中だったのか長さ50mもない高速道路に高層ビルから跳び移って見学しようとしたり、上半分の町を見渡して興味を引く建築物を探したり、上空を飛ぶセフィ○スを警戒したり、熱血な教官であることを盾に女用のシャワー室に半裸で様子を見に来る上半身ムキムキで髪の毛スーパーサイヤ人な変態の中○勘九郎に引いたり、なんか一つ一つのシーンが印象的で楽しかった。



荒廃した雑多な都会の雰囲気、ぬめっと光る質感の黄土、人がいなくなっても相変わらずくっきりとした青空、鉄筋でできた看板から剥がれかかった塗装の赤文字、茶色い錆や汚れが目立つ白い建物、薄暗がりでテカる勘九郎の胸筋の焼けた肌色…。

色彩がきれいな夢だった。ちょっとエヴァみたいな雰囲気だったかも。





そして身軽に跳んだり走ったりする、長髪をポニーテールにしたグラマーな体型の、正義感溢れる、でも孤高で自由な風のような、人を好いて人に好かれる私でない私。


自分じゃない人に精神が一致するのも夢のいいところ。
自分の意見を持ったまま、でも自分の考え方ではなく、だからといって違和感を感じることもない、自然な別人格の私。

間違いなく自分の物語の主人公である私。








現実の私は、相変わらず自分の無力さに打ちのめされながら仕事して、以前のようには見られなくなった女神を以前と同じように視姦して、新しい体験をすることなく家路について、最低限のことしかしてないのに気がついたら寝る時間になってるという、なんともいつもどおりモブキャラのような生活を送った。




夢はいい。
夢の中だけで生きていこうとする人間が出てくる漫画が多いのも頷ける。







夢の中で生きられたらいいのに。

そしたら主人公でいられるのに。